八ヶ岳赤岳天狗尾根【2020/10/24~25】[個人山行]

■山域:八ヶ岳赤岳天狗尾根

■期日:2020年10月24(土)~25日(日) 

■形態:アルパインクライミング
■メンバー:FI(SL)、YY(装備)、GW(気象)、SK(L・記録)




■行動記録
10/23(金) 平塚発 22:30→美し森駐車場 1:30
10/24(土) 美し森駐車場 6:00→林道二俣 7:20→出合小屋 9:00→カニのハサミ基部 12:00→第二峰 13:30→大天狗基部 13:50→小天狗基部 14:30→天狗尾根頭 14:45→キレット小屋 15:50
10/25(日) キレット小屋 6:15→ツルネ 6:40→ツルネ東稜取付 7:00→出合小屋 9:00→美し森駐車場 11:30

※美し森駐車場は夜中到着時は他車3,4台。翌日戻ってきたらなんとほぼ満車。トイレは夜電灯オフ。ヘッデンは必須。
※出合小屋は整備されている。トイレも別小屋であり。
※キレット小屋は本年クローズ。水は担ぎ上げた。
※山てんの有料天気予報はずばり当たった。

■行動詳細
10/23(金) 晴れ
数日前の雪が残っているとの情報と、天気予報は雪が降り強風とのことから、アバランチセットは持たないものの、アイゼン、冬靴、ピッケルなどほぼ冬装備を準備。前日の雨模様から沢の増水もあり得るので、渡渉に備えネオプレーンソックスなども装備することに。水も担ぎ冬以上に重装備かもの状態で出発前は憂鬱になる。
高速道路はすいていた。予定時間に駐車場到着、車中泊。

10/24(土) 晴れ時々曇のちあられ
駐車場から地獄谷への二俣までの林道は思っていたより石がゴロゴロ歩きにくい。


林道を進むなかで沢が流れる音が聞こえる。渡渉はやはりネオプレーン装着かとまた憂鬱になる。
二俣から沢へ。ピンクテープが随所にあり迷うことはないが出合い小屋まで水が涸れることはなく右岸左岸を行ったりきたり。10回くらいは渡渉。靴を脱ぐ必要はなかったことには助かった。ストックを持ってきていないYYが沢に足首までドボンしたが、たいしたことはなかった。


出合い小屋到着。渡渉用グッズ及びFIとSKは12本爪アイゼンのみ持っていくとし、チェーンアイゼンをデポ。


天狗尾根稜線までは風もなく暖か。



徐々に風が強まってきたので、最後の幕営適地と思われる2,350m地点で先に進むかどうか皆で相談。日の入り前の16時にはキレット小屋に着く見込みであり、アイゼン・ピッケルの冬装備もあるので先に進むことに決定。
カニのハサミ到着の頃にはガスも出てきて体感がぐっと下がってきた。
登攀前に手袋、フリース、ジャケットを着込む。


カニのハサミは中央ルンゼを直登。GWがリード、あとはFIXで登る。


途中ハーケンでのランニングはあったがGWは気付かなかったとのことでフリーで登った。


第一峰手前は残置のフィックスロープで右側へトラバース、草付きのルンゼを登る。第一峰は稜線をそのまま進み第二峰。
右側へトラバース

草付きを上る


強風に雪混じりガスが立ち込める、第二峰を大天狗と勘違いして直上するか相談。これは先を急ぐのみと右から巻く。
大二峰の右手側を上る


すると大天狗が現れる。ガスで第二峰後ろの大天狗が見えなかった。
大天狗が現れ今巻いているのは第二峰と気づく



強風と雪で迷わず右の巻き道へ。
ハイ松地獄とは知らず右巻道へ


この巻き道がひどい。這松地獄で全然進めない。ピンクテープがあるのでこのルートが使われているようだが、冬専用か。
遅々として進まない


自分の身の丈くらいの這松を押し退け押し退けやっと脱出。
風がさえぎられていたのが唯一の救い。
いい加減にしてくれ・・・


小天狗手前を右手に上がり這松のある稜線に上がる。
冬山モードの稜線


しばらく進むと天狗の頭、一般登山道との合流点に到着。
雪混じりの強風は相変わらずで人っ子一人いない。
一般登山道に合流


小休止をとりキレット小屋へガレ場を下っていく。想像していたよりぐんぐん下って森林帯に入り風がさえぎられ落ち着く。
途中、前をいくGWとFIから離れてしまったら右方向に道を外してしまった。ふみあとがなくなり気付く。元に戻って左方向にふみあとあり。一般登山道だから迷わぬと気を抜いてしまった。
キレット小屋到着、小屋はクローズ中、テン場には一張りもなし。
キレット小屋到着で人心地つく


風当たりが少なそうな場所に幕営。
ゴーゴー風のうなりと揺れるテントのなか就寝。

10/25(日) 晴れ
風は相変わらず強いが晴れており、少し風が弱くなったかという中、下山開始。
風は強いが快晴


ツルネまでは登り。早く流れる雲がはれると絶景。
絶景に何度も足をとめる


ツルネ手前2,500m地点でブロッケン現象を見る。
ブロッケン現象


ツルネ東稜取付きは看板あり迷うことなし。
ツルネの看板は遠くから見えた


稜線の迷いポイント2,400m付近でやはり右側尾根に吸い込まれてしまった。登り返して復帰。
道迷いに吸い込まれる


あとはピンクテープに導かれ迷うことなく出合い小屋到着。
ピンクテープや看板あり


出合い小屋から林道二俣までは昨日と異なり沢は涸れていて、渡渉は行きの半分程度5回ですんだ。
行きと異なり全く水がない


行きは気づかなかったが、林道は紅葉に包まれ秋真っ盛り。


青空に紅葉で、山頂の雪と強風の冬山モードとのギャップに季節の変わり目の天候リスクを改めて実感した。

大天狗の直登は残念ながらエスケープしてしまったが、悪天の仲パーティー協力して何事もなく下山できた。
仲間がいることが何よりの宝であることを再認識した山行でした。


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