谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁南稜【2020/10/2】[個人山行]

■山域:谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁南稜

■期日:2020年10月2(金) 
■形態:アルパインクライミング
■メンバー:TO(L)、GW
 



■コースタイム
【10/2(木)】 夜:谷川岳ベースプラザ 1F駐車場(車中泊)
 
【10/3(金)】 04:30 谷川岳ベースプラザ → 05:20 一ノ倉沢出合(ハーネス装着などの準備後、05:55出発) → ヒョングリ滝の右岸を登り、支点から懸垂下降(25m+クライムダウン) →06:30 テールリッジ末端 → 07:15 中央稜取付(アプローチシューズからクライミングシューズに履き替え) → 07:45 南稜取付(登攀準備) →08:00 登攀開始 → 10:45 南稜終了点 → 休憩 →11:15 懸垂下降開始 → 13:00 中央稜取付 → 14:10 テールリッジ 末端 → 14:55 →ノ倉沢出合 → 15:25 一ちゃん(電気バス)最終便 → 15:35 谷川岳ベースプラザ

■行動記録 記録:GW
【10/1(木)】
夜空に輝く中秋の名月のもと車を走らせ、みなかみ町下の国道を何故か疾走する小熊を追い抜き、予定より2時間強遅れで無事に谷川岳ベースプラザに到着。
到着時、平日木曜の夜と、豪雨による送電線流出のためロープウェイが臨時運休(駐車場と売店は営業)していることと相まってか、ベースプラザ1F駐車場は自分達以外は1台しかなかった。
 
【10/2(金)】
 4時半出発。夜明けまでの約1時間、自身のヘッデン行動の常で、視点焦点が定まらないなか、夢の中を歩くように一ノ倉沢出合までアスファルト道をフラフラ進む。
 
●アプローチ(一ノ倉沢出合~テールリッジ~南稜取付)
 一ノ倉沢に入ると、鮮やかな朝日に染まる奥壁が早速出迎えてくれ、頭の芯から目覚めていく。
 その名にそぐわぬささやかな水量のヒョングリ滝を右岸から越え、懸垂下降にて沢床に戻る。TOによると数年前に来られた時よりも沢が荒れているとのこと。テールリッジに取り付き、岩々に囲まれた圧巻の景色の中、順調に高度を稼ぐ。後続2名がいるものの、前には誰もおらず、本日のトップが決定!益々、気分は高揚してくる!
 中央稜取付にてクライミングシューズに履き替えた後、バンドを左上し、南稜取付に至る。






 
●南稜
 トポ本では計7ピッチであり、その内、奇数ピッチをGW、偶数ピッチをTOが担当。ロープの流れを考慮して、1ピッチ目をチムニー前で途中区切った以外は、トポ本通りにロープを伸ばした。



 

休日には非常に混み合うと言われている南稜であるが、当日は秋晴れの中、心地良い風に吹かれながらサクサクと進め、登攀開始から3時間弱で終了点へ。



●下降
 休憩後、終了点から左3mほどにある支点から、6ルンゼを懸垂下降開始。40m下ったところにある6ルンゼ内の懸垂支点、4ピッチ終了点、草付き(歩き)、2ピッチ終了点、1ピッチ終了点、バンド途中の支点を経て、南稜取付よりも中央稜取付に近い鎌形ハング下まで懸垂にて戻る。支点全てではないか、各所にラペルステーションが付いており、南稜の人気振りが窺えた。




 中央稜取付でアプローチシューズに履き替えて一息付いたあと、テールリッジを下降したが、正直ここが個人的に核心であった。南稜のように手を使うには斜度が足りず、下手にしゃがんで手を使おうとすると、靴のフリクションが低下してバランスを崩し、谷底に転がり落ちそうで、ヘッピリ腰で下る。一方TOは、ズリズリ進む私を尻目に、通い慣れた道の如くスタスタと降りていく。



所々、フィックスロープが張られているが、ロープの芯が剥き出しになっているものもあり、信用できないので極力使わない。下りながら、「もしも雨が降ったり、そうでなくとも湿っていたらどうしようか。。。」と怖い気持ちになり、「好天を待って本当に良かった!」と心底痛感した。



 
 最後、運良く「一ちゃん(電気バス)」最終便に乗ることができ、車中ガイドを聴きながら、憧れの一ノ倉沢をあとにした。




 
■総括:TO
GWは初の一ノ倉沢であったが、今回の登攀で、一ノ倉沢のおおよその全体像を掴んで貰えたと思う。
南稜は混雑する事で良いイメージが無かったが、岩も固く快適で、良いルートなんだなと改めて感じた。ピッチ数が少々短いですが。




 
 ■補足情報
去年の豪雨の影響か?出合いからヒョングリの滝までの河原が荒れており、アプローチが一部変わっていたが、テールリッジへの懸垂下降点まで特に問題なく歩ける。但し、ヒョングリ滝からテールリッジ取付きまでの沢沿いのアプローチは未確認。
我々は念の為、帰りも懸垂下降点まで登り返し右岸の踏み後を降りたが、懸垂や登り返しを避け沢沿いを通る場合は注意が必要。

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